もくじ
1.第1種放射線取扱主任者とは?
2.受験しなくてよい学生
3.試験合格のメリット
4.未受験のデメリット
5.まとめ
6.【アンケート】取扱主任者いらなかった?
1.第1種放射線取扱主任者とは?
該当する放射性同位元素等を取り扱う事業所では、必ず1名以上の放射線取扱主任者を選任することが義務づけられています。第1種から第3種まであり、選任の区分はこちら。診療放射線技師としては第1種を取得しなければほとんど意味がありません。試験合格の後に講習(受講費17万、試験あり)を受講して免状が取得できますが、学生のうちは試験合格までで大丈夫です。
試験勉強法に関しては他のたくさんの人が解説してくれているので割愛します。参考書等は試験が終わった時期(8月下旬)と合格発表の後(10月下旬)にメルカリに多く出品されるのでチェックしておきましょう。法令が変わっている可能性もありますので、最新版を買ったほうがいいです。必勝プリントが出品されていることもあります。過去問が公開されていますが、解説があった方がいいと思います。
2.受験しなくてよい学生
多くの学生は合格を目指して勉強するべきですが、以下のような方は受験する必要はないと思います。
2-1. 学校の成績(順位)が下位1/4の学生
このような学生は第1種放射線取扱主任者(以下、取扱主任者)試験を無理に受験するべきではありません。それよりも学校の勉強を優先しましょう。卒業して国家資格を取得することが何より大事です。
※そんなの関係ねぇ!私は受かる!という方は頑張ってください
2-2. 放射線関係ではない職に就職する予定の学生
大学であれば診療放射線技師以外の職に就職する学生もいます。他の職種において、この資格が生きることはないと思いますので、それよりも就職希望分野のサーベイや英会話などに時間を費やすべきです。
2-3. 資格試験勉強よりも優先するべきことがある学生
家庭の事情によって家業を手伝ったり、アルバイトをしたりする必要があるならば、そちらを優先しなければなりません。主任者試験は就職してからも受験することができます。
また、ワーホリなどで海外に長期滞在をして視野を広げる、東南アジアなどで1か月程度の集中合宿で英会話を上達させる、プログラミング等で副業の実績を積むなど、将来を見据えた行動ができるのであれば、取扱主任者試験の勉強よりも有効な時間の使い方かもしれません。ですが、それは取扱主任者よりも価値があるものでなければなりません。友達と遊ぶ、旅行に行くでは理由として弱いです。この選択肢を選べる人はほとんどいません。
3.試験合格のメリット
3-1. 就職採用に有利
取扱主任者試験は診療放射線技師の国家試験よりも難しいです。なので、取扱主任者試験に合格した学生が、技師の国家試験に落ちることはまずありません。病院の人事が最も困ることは内定を出した学生から、新年度が始まる頃に国家試験の不合格の知らせを聞くことです。国家資格を持っていない場合、技師として働くことはできません。その場合、急いで求人を出して再度、採用試験をしなければなりません。これは大変な手間であり、就職希望がいるとも限りません。何としても内定を出した学生には国家試験に受かって欲しいと願っています。取扱主任者試験合格はそのような不安を無くしてくれる根拠となります。よって合格している場合は採用されやすくなります。
また、以前の取扱主任者が退職して他に該当者がいない病院もあります。その場合、職員を受験させて合格してもらう、もしくは合格している人を採用するの2択があります。学業から長年離れている人に試験合格を期待するのは酷です。よって、取扱主任者試験に合格しているというだけで、採用されるパターンもあります。
例外的ですが、〇〇大学病院などでは取扱主任者試験に合格しているかを足切りにしているところもあります。取扱主任者試験に合格していなければ書類選考で落ちることになります。ただし、このような病院はほとんどありません。
3-2. 手当
病院によっては取扱主任者の資格取得者は5,000~10,000円/月程度の手当がもらえる場合があります。
3-3. 成功体験を積む
これが最も大きなメリットです。技師の国家資格を取得すれば病院で働くことはできますが、それはスタートに過ぎません。働いてからは職場内での相対評価が始まります。そして、仕事ができる人間、できない人間に分かれていきます。両者はそれぞれ仕事が面白い、つまらないと感じるでしょう。一日の1/3は仕事の時間になるため、仕事が楽しいかどうかは人生を左右します。仕事ができる人、できない人を分ける要因の一つは成功体験を積んでいるかどうかだと思います。取扱主任者の資格はほとんど使う機会はありませんが、放射線技師として目指すべき目標(資格)であることには違いありません。その目標に対して正しい方法で努力して結果を出すことができたということは大きな自信になります。就職後に次々と直面する困難に対して、自分ならできると思えるのか、自分には無理だろうなと思うのかがいずれ大きな差になります。
※取扱主任者試験に限ったことではなく、継続した目標の設定・達成が必要です。
4.未受験のデメリット
4-1. 選択肢を狭める
人生は何が起こるか分かりません。10年後の自分は職業を変えて非破壊検査をしているかもしれません。資格を取得していれば選べた進路を捨てることになります。選択肢はできる限り多く持つことがリスクヘッジになります。
4-2. 同僚に気を使われる、後輩になめられる
試験合格している同僚と話をしているときに(珍しいことではありません)、主任者試験の話題についていけなくなります。または、同僚が気を使ってその話題を避けるかもしれません。周りに気を使わせるやっかいな存在になる可能性があります。
昔の取扱主任者と違って、現在は合格率3割程度の難易度です。実際には記念受験や欠席者を除くと合格率は5割程度だと思います。ある意味、放射線技師にとって運転免許のようなものです。「都会に住んでるから運転免許はいらない」と言っても空しいだけです。後に入職してくる後輩の半数は合格しています。
5.まとめ
この資格は使わないから受験しないなど、やらない(勉強しない)理由探しはやめましょう。取扱主任者試験に合格したからといって劇的な変化があるわけではありませんが、自分の未来に期待しているならば取扱主任者試験合格は欠かすことのできない重要な1つのステップだと思います。
ぜひ合格しましょう!