【撮影目的】
児頭と母体骨盤の関係を投影する。
骨盤入口横径、坐骨棘間径の計測。
児頭骨盤不均衡(CPD)の診断。
マルチウス法と比較して胎児の被ばくが少ない。オリジナルの撮影は2方向撮影。
【撮影前の確認事項】
患者が被ばく量について理解しているか確認する。
障害物となるものを除去する。
【ポジショニング】
仰臥位。
両膝を軽度開脚、屈曲させる。
正中矢状面とカセッテ中心軸を合わせる。
骨盤の捻じれが無いように、左右の上前腸骨棘をカセッテから等距離とする。
測定用メジャーをカセッテと平行にした状態で、大転子の高さに配置する。
X線中心とカセッテ中心を合わせる。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:正中矢状面上で大転子より3横指頭側の点に向けて垂直入射。
撮影距離:100~130cm
照射野:上縁は腸骨稜、下縁は坐骨を含む。
【撮影条件】
100kV / 10mAs
グリッド ( + )
呼気停止
【画像・チェックポイント】
閉鎖孔が左右対称に投影されていること。
坐骨棘が左右対称に投影されていること。
十分なコントラストで入口横径、峡部横径、出口横径が計測可能であること。
メジャーが10cm以上読み取れること。
動きによるブレがないこと。
【動画】
【関連資料】
撮影法 | 利点 | 欠点 | 撮影時の正しい体位 |
側面撮影法(Guthmann法) | 体位が容易 像が比較的鮮明, 計測誤差が少ない, 産道各部の前後径を測定, 仙骨前面の形状が判明 | 産道各部の横径は不明, 入口面の形状が不明 | 左右の寛骨臼像が同心円状であること |
入口面撮影法(Martius法) | 入口面の形状が判明, 坐骨棘間径が推定可能, 児頭と入口面との比較が可能 | 体位が困難, 像が不鮮明, 高い位置にある児頭と 入口面の比較は困難 | 左右の閉鎖孔が写らないこと |
仰臥位前後撮影法(Colcher-Sussman法) | 体位が容易 産道各部の横径がわかる | 横径計測に誤差がありうる. |