【撮影目的】
C1およびC2、軟部組織を観察する。
Jefferson 骨折、歯突起骨折の観察。
【撮影前の確認事項】
救急で撮影する場合は側面撮影を見て、指示医の許可を得て撮影する。
外傷の場合は極端な後屈は避ける。
開口できない場合はFuchs法もしくはJudd法を検討する。
障害陰影となるものを外す。
(髪を束ねれている場合は解く、ネックレス、ヘアピン等)
【ポジショニング】
立位または仰臥位。
頭部の捻れがないように頭側から観察し、矢状面を受像面に垂直にする。
カセッテの上下方向の中心を乳様突起の高さに合わせる。
最大開口位にて、上顎の切歯の下縁と乳様突起を結ぶ線(もしくは鼻根部と外耳孔を結ぶ線)が受像面に垂直となる角度にする。不可能な場合は入射角度を調節する。
開口してから曝射までの時間を最小限とするため、事前に撮影条件を設定する。
舌は障害陰影とならないように下顎側に下げる。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:開いた口の中心に向かって垂直入射。
撮影距離:最近接 ~ 100cm
照射野:頭側は水晶体を含まないように絞る。左右は皮膚面まで広げる。
開口している口は動いてしまうことが多いので、患者を良く観察し動いていない時に曝射スイッチを押す。
【撮影条件】
55kV / 5mAs
グリッド ( – )
呼吸停止。
【画像・チェックポイント】
正常例 (Radiopaedia)
Jefferson fracture (Radiopaedia)
C1の外側塊、横突起が観察できること。
C2の歯突起が過露光にならず、かつ椎体部の観察ができること。
環軸関節の間隙が左右対称で広く観察できること。
上顎切歯および頭蓋底がC1/C2に重なっていないこと。
骨格によっては目的部位への障害陰影の重複が避けられない場合があるため、他の撮影法やCTを検討する。
【動画】
【関連資料】
閉口位撮影
骨折分類:Andersonの分類
1型:歯突起先端の斜骨折
2型:歯突起基部までの骨折
3型:C2椎体に及ぶ骨折
※2型は偽関節になりやすく、外科的介入が必要。