【撮影目的】
脊椎固定をした患者の可動範囲の評価。
腰椎の不安定性(すべり)の評価。
【撮影前の確認事項】
障害陰影となるものを外す。
立位(座位)、臥位どちらで撮影するか確認。
AP像より側弯があるか確認。ある場合は、椎管腔が広く観察できる入射方向を選択。右側に凸の場合はLR方向、左側に凸の場合はRL方向。
照射野の上下を四切り~半切サイズに合わせる。
体動の影響を最小限にするため、照射条件をあらかじめ合わせておく。
【ポジショニング】
座位 :
RLもしくLR方向で、背面をカセッテに対して垂直とする。
正中矢状面をカセッテに平行とする。
適切な高さの背もたれのある椅子に膝を曲げて座らせる。
前屈:お腹を見て、背中を最大限丸める。
後屈:椅子をつかみ、天井を向いて背中を最大限反らせる。
臥位 :
右側臥位もしくは左側臥位。
脊椎が受像面と平行になるように、横腹・膝にポジショニングブロックを置く。
前屈:両腕で膝をかかえ、背中を最大限丸める。
後屈:両腕を頭の上に上げ、背中を最大限反らせる。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:
腸骨稜(ヤコビー線)より2横指頭側の高さ(L3)で腰椎棘突起から4横指腹側の点に垂直入射。
撮影距離:100~150cm
照射野:
照射野を背側皮膚面まで絞る。必要に応じて脊椎の軸に合わせて照射野を斜めにする。斜めにした照射野において、腰椎がカセッテの左右に収まっていることを確認する。
フォトタイマーを使用する場合は適切なセンサー位置を選択する。
【撮影条件】
80kV / 50mAs
グリッド ( + )
呼気停止。
【画像・チェックポイント】
正常例
L3が中心で上縁は第12胸椎、下縁は上位仙骨を含む範囲であること。
棘突起、椎弓根、上関節突起、下関節突起、椎間腔、L1-L4椎間孔が明瞭に観察できること。
椎体の前後縁が接線で投影されていること。
【動画】
【関連資料】