【撮影目的】
腰椎の椎体、椎間腔、棘突起、L1-L4椎間孔を観察する。
骨折、脊椎すべり症、腫瘍、骨粗しょう症など観察。
【撮影前の確認事項】
立位、臥位どちらで撮影するか確認。
側弯があるか確認。ある場合は、椎管腔が広く観察できる入射方向を選択。右側に凸の場合はLR方向、左側に凸の場合はRL方向。
脊髄損傷が疑われる場合、仰臥位で水平入射で撮影する。
障害陰影となるものを外す。
【ポジショニング】
立位 :
RLもしくLR方向で、下肢を肩幅に広げた立位。
腰椎棘突起から4横指腹側が照射野のクラスライン(縦)と重なるようにする。
体の捻れがないように、背側と受像面と垂直にする。
カセッテは半切サイズを使用し、中心の高さを腸骨稜(ヤコビー線)に合わせる。
体を安定するために手すりをつかむ。手すりには体重をかけないようにする。
臥位 :
右側臥位もしくは左側臥位。
脊椎が受像面と平行になるように、横腹・膝にポジショニングブロックを置く。
腰椎棘突起から4横指腹側が照射野のクラスライン(縦)と重なるようにする。
体の捻れがないように、背側と受像面と垂直にする。
両ひざを曲げて、腰椎の前弯を小さくする。
カセッテは四切~半切サイズを使用し、カセッテの中心を第3腰椎(ヤコビー線より2横指だけ頭側)に合わせる。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:
立位 : 腸骨稜(ヤコビー線)の高さ(L4)で腰椎棘突起から4横指腹側の点に垂直入射。
臥位 : 腸骨稜(ヤコビー線)より2横指頭側の高さ(L3)で腰椎棘突起から4横指腹側の点に垂直入射。
撮影距離:100~150cm
照射野:
照射野が背側からはみ出る場合は鉛板で受像面を覆う。
立位 : 照射野はヤコビー線を中心に上下を半切サイズまで、左右はL4椎体を中心に前面は恥骨結合まで広げる。
臥位 : 照射野は背側の皮膚面まで広げる。上下はカセッテのサイズまで広げる。
【撮影条件】
78kV / 50mAs
グリッド ( + )
呼気停止。
【画像・チェックポイント】
正常例 (Radiopaedia)
立位 : L4が中心で上縁は第12胸椎、下縁は股関節を含む範囲であること。
臥位 : L3が中心で上縁は第12胸椎、下縁は上位仙骨を含む範囲であること。
棘突起、椎弓根、上関節突起、下関節突起、椎間腔、L1-L4椎間孔が明瞭に観察できること。
椎体の前後縁が接線で投影されていること。
【動画】
【関連資料】
Three column theory (Denis分類):
https://radiopaedia.org/articles/three-column-concept-of-spinal-fractures?lang=us
解剖