【撮影目的】
CTが使用できない施設における胸水、気胸の観察。
【撮影前の確認事項】
AP方向で撮影するか、PA方向で撮影するか確認。
空気の上昇や液面形成のために側臥位のまま5~15分待つ。
障害物となるものを除去する(チューブ、チャック、ボタンなど)。
【ポジショニング】
検側を下にした側臥位:胸水の観察(胸水が縦郭に重ならないように)。
検側を上にした側臥位:気胸の観察(空気が縦郭に重ならないように)。
体の下にクッションを入れて下にした側が画像に含まれるようにする。
正中矢状面と床を平行にする。
肩や骨盤の捻じれを無くし、冠状面をカセッテと平行にする。
膝を軽く曲げ、姿勢を安定させる。
両腕は照射野の範囲から外すため挙上する。
顎を上げる。
カセッテは半切サイズ(14×17インチ)を使用し、上端を肩関節より頭側5cmの高さに合わせる。
側臥位、RLマーカーを貼る。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:正中矢状面上で、肩甲骨下縁の高さに向けて水平入射。
撮影距離:100~200cm
照射野:頭尾方向は半切サイズ(17インチ)、左右は皮膚面まで絞る。
【撮影条件】
90kV / 5mAs
グリッド ( + )
吸気停止。(完全な呼気停止の後、1秒待ってから曝射する)
【画像・チェックポイント】
Radiopaedia
肺尖から左右の肋骨横隔膜が投影されていること。
椎体が湾曲することなく画像の中心に明瞭に投影されていること。
棘突起が椎体の中心に観察できること。
下にした側が観察可能であること。
十分な吸気であること(横隔膜より上に第10肋骨が観察できること)。
肺門理が明瞭でブレがないこと。
【動画】
【関連資料】