座位 (Superior-inferior axial view)
仰臥位 (Lawrence method, Rafert method)
側臥位 (Clements method)
腹臥位 (West point method)
座位 (Superior-inferior axial view)
【撮影目的】
肩関節窩の形態(接線方向の観察)、関節窩と上腕骨頭の前後方向の適合性、小結節の骨折診断に有用。
仰臥位しかとれない患者に有用。
【撮影前の確認事項】
骨折、脱臼の有無。疑われる場合、腕を動かしてはいけない。
障害陰影となるものを外す。
【ポジショニング】
座位。
テーブルを検側の側面に置き肘を乗せ、カセッテを間に挟む。
肩関節を90°外転し、肘関節を90°屈曲する。
テーブルに乗り込むようにし、肩甲上腕関節がカセッテの中央にくるようにする。(それが不可能である場合、X線を斜入射しカセッテの中央に投影されるようにする。)
顔が映りこまないように、非検側・前方向に傾ける。このとき、ポジショニングが崩れないように注意。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:肩鎖関節に向けて垂直入射
撮影距離:100cm
照射野:上腕骨近位1/3~肩甲上腕関節を含む
【撮影条件】
グリッド( + ):65kV / 8mAs
グリッド( – ):55kV / 5mAs
呼吸停止。
【画像・チェックポイント】
正常例(Radiopaedia)
前方に小結節が観察できる。
肩甲上腕関節および肩鎖関節の間隙が観察できる
【動画】
【関連資料】
仰臥位 (Lawrence method & Rafert method)
【撮影目的】
肩関節窩の形態(接線方向の観察)、関節窩と上腕骨頭の前後方向の適合性、小結節の骨折診断に有用。
Rafert methodはHill-Sachs損傷(上腕骨骨頭の後外側)の観察に有用。
【撮影前の確認事項】
骨折、脱臼の有無。疑われる場合、腕を動かしてはいけない。
障害陰影となるものを外す。
【ポジショニング】
仰臥位。
体(肩)の下にポジショニングブロックを入れ、高さを出す。
上肢を90°外転、手のひらを上に向ける。外旋位だとHill-Sachs lesionの検出に優れる。
顔が映りこまないように、非検側・前方向に傾ける。
非検側の手でカセッテを持つ。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:肩鎖関節を射出点にして体軸に向けて25°~30°(Lawrence method)もしくは15°(Rafert method)で斜入射。上肢が外転できない場合はそれに応じて斜入射の角度を緩くする。
水平方向は寝台に平行に入射。
撮影距離:100cm
照射野:上腕骨近位1/3~肩甲上腕関節を含む。頭部への照射を最小限にする。
【撮影条件】
グリッド( + ):65kV / 8mAs
グリッド( – ):55kV / 5mAs
呼吸停止。
【画像・チェックポイント】
正常例
Lawrence method
Rafert method
前方に小結節が観察できる。(Lawrence method)
肩甲上腕関節および肩鎖関節の間隙が観察できる
【動画】
側臥位 (Clements method)
【撮影目的】
仰臥位や背臥位の取れない患者に有用。
肩関節窩の形態(接線方向の観察)、関節窩と上腕骨頭の前後方向の適合性、小結節の骨折診断に有用。
Hill-Sachs損傷(上腕骨骨頭の後外側)の観察に有用。
【撮影前の確認事項】
骨折、脱臼の有無。疑われる場合、腕を動かしてはいけない。
障害陰影となるものを外す。
【ポジショニング】
非検側を下にした側臥位。
検側の上肢を90°外転し、上に上げる。
非検側の手でカセッテを持つ。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:肩鎖関節を射出点にして水平入射。上肢が外転できない場合は5~15°で斜入射する。
撮影距離:100cm
照射野:上腕骨近位1/3~肩甲上腕関節を含む。
【撮影条件】
グリッド( + ):65kV / 8mAs
グリッド( – ):55kV / 5mAs
呼吸停止。
【画像・チェックポイント】
正常例
肩甲上腕関節の間隙が観察できる。
【動画】
腹臥位 (West Point method)
English ver.
Radiopaedia
Radtechonduty
【撮影目的】
Bankart lesion(前方脱臼による関節唇前下部の損傷)の観察に優れる。
【撮影前の確認事項】
骨折、脱臼の有無。疑われる場合、腕を動かしてはいけない。
障害陰影となるものを外す。
【ポジショニング】
腹臥位。
検側の肩の下にポジショニングブロックを入れる。
検側の腕を90°外転する。
検側の肘を曲げ前腕を寝台から降ろす。
頭を非検側の方に向ける。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:腋窩に向けて後前方向25°、外内方向25°で斜入射。
撮影距離:100cm
照射野:上腕骨近位1/3~肩関節を含む。
【撮影条件】
グリッド( + ):65kV / 16mAs
グリッド( – ):55kV / 10mAs
呼吸停止。
【画像・チェックポイント】
正常例(Fig.5-5)
Bankart lesion
肩甲上腕関節の間隙が観察できる。
関節窩の前下方部分(Bankart損傷部位)が烏口突起に重ならずに観察できること。
【動画】
【関連資料】