【撮影目的】
寛骨臼、大腿骨頭・大腿骨頸、大転子、腸骨、坐骨・恥骨の変性、骨折、病変の観察。
人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty, THA)を施行した患者の体内金属の状態確認。
【撮影前の確認事項】
撮影の目的の確認・THA手術の有無。
骨折の疑いの有無。骨折が疑われる場合は内旋させない。
障害陰影となるものを外す。
【ポジショニング】
骨盤に傾きがない背臥位。(両方の上前腸骨棘ー寝台間距離が等距離)
両下肢を伸展させ、下肢を内旋させる(15~20°)。膝蓋骨は中間位よりも内旋位となっていることを確認する。
内旋した状態で、大腿骨軸が矢状面と平行になるように下肢を開く。
必要に応じて足関節に重しを乗せて姿勢を固定。
カセッテの上縁を腸骨稜上端に、カセッテ中心を大転子から2横指頭側の高さに合わせる。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:正中線上で大転子より頭側に2横指の点
撮影距離:100cm
照射野:上前腸骨棘(可能であれば腸骨稜)~大腿骨近位の1/3を含む範囲、左右は皮膚面まで絞る。ただし、体内金属の状態確認が目的の場合はすべて含む範囲。
【撮影条件】
70kV / 20mAs
グリッド ( + )
【画像・チェックポイント】
体内金属あり(Radiopaedia)
両側の閉鎖孔が左右対象に描出されていること。
人工関節および関係する器具が含まれていること。
骨梁が明瞭に視認できること。
左右マーカーが入っていること。
大腿骨頸部や大転子が広く描出されていること。
小転子は大腿骨幹と重なり、ほとんど描出されない。
目的部位が適正なコントラスト、寛容度であること。
シェントン線が観察できること。
【動画】
【関連資料】
Garden分類( 図 )
typeⅠ→Ⅳになるに従い大腿骨頭の血流が途絶えている可能性が高くなる。typeⅢまたはⅣ:人工骨頭挿入術を選択する。