【撮影目的】
ゼロポジションにおける上腕骨と肩甲骨の位置関係の観察。
動揺肩や肩関節脱臼の診断
ゼロポジションとはSahaによって提唱された回旋の無い状態で肩甲棘と上腕骨を一致させた軸に沿って肩関節周囲の筋の走行が集約・弛緩することによって最も関節が安定する肢位。上肢を虚脱した状態から150~165°挙上し、30~45°前方に動かした肢位。
【撮影前の確認事項】
障害物となるものを除去する。
【ポジショニング】
立位、座位(または背臥位)。
カセッテに背を向け、冠状断とカセッテを平行にする。
肩甲上腕関節をカセッテ中心に合わせる。
虚脱した上肢を150°程度挙上し、30°程度前方に動かす。この際、体軸が湾曲しないように注意する。
R/Lマーカーを貼る。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:肩甲上腕関節にむけて垂直入射。
撮影距離:100cm
照射野:上腕骨近位1/3、肩甲骨下角を含む範囲に絞る。
【撮影条件】
70kV / 16mAs
グリッド ( + )
呼吸停止
【画像・チェックポイント】
正常例
上腕骨軸と肩甲骨棘が一直線上に並んでいること。
肩峰、肩鎖関節、烏口突起が観察可能であること。
R/Lマーカーが映っていること。
体動によるブレがないこと。
【動画】
【関連資料】
[肩関節疾患の画像読影と撮影技術]
ZERO POSITION