【撮影目的】
Hill-Sachs損傷(肩の前方脱臼による上腕骨頭の後側部の欠損)の観察に優れる。
上腕骨頭の後面上部の観察。
【撮影前の確認事項】
骨折、脱臼の有無。疑われる場合、腕を動かしてはいけない。
障害陰影となるものを外す。
【ポジショニング】
仰臥位。
カセッテの中心に肩甲上腕関節を合わせる。
検側の腕を上げ、上腕骨をカセッテに対して90°もしくは135°とする。
肘を曲げ、手のひらを頭部につける。この際、上腕骨が矢状面と平行になるように脇を締める。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:
90°挙上位:脇の皺と上腕骨軸の交点に向けて尾頭方向に10~30°で斜入射
135°挙上位:垂直入射
撮影距離:100cm
照射野:頭側は上腕骨頸を含む。左右は上腕骨頭を含み、必要最小限の範囲で散乱線を低減する。
【撮影条件】
70kV / 16mAs
グリッド ( + )
呼吸停止。
【画像・チェックポイント】
正常例(Radiopaedia)
症例
Hill-Sachs 損傷の発生部位である上腕骨頭の後外側部が明瞭に観察できる。
鎖骨と烏口突起は重なる。
上腕骨長軸は矢状面と平行になる。
【動画】
【関連資料】