【撮影目的】
骨盤を前面から観察する。
恥骨坐骨正面撮影はX線中心と撮影範囲のみ異なる。
外傷による骨盤輪の上下方向の変位を観察する。
【撮影前の確認事項】
骨盤骨折の疑いがあるか、下肢を動かして良いか医師に確認する。
障害物となるものを除去する。
【ポジショニング】
仰臥位。
正中矢状面とカセッテの中心軸を合わせる。
両下肢を伸展する(もしくは軽度屈曲する)。
骨盤の傾きを無くすために左右の上前腸骨棘がカセッテから等距離とする。
骨折の疑いが無い場合のみ、両膝関節を20°内旋させる。
上肢は照射野から離して配置する。
射出点と中心が一致するようにカセッテを配置する。
R/Lマーカーを貼る。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:
アウトレット撮影の場合は照射野のクロスラインが大転子から頭側に3横指の点を通るように、尾頭方向30°~40°で斜入射。
恥骨坐骨正面撮影の場合は照射野のクロスラインが大転子を通るように、尾頭方向30°~40°で斜入射。
撮影距離:100~130cm
照射野:左右は皮膚面、腸骨稜から小転子が含まれる範囲に絞る。恥骨坐骨正面撮影の場合は必要最小限に絞る。
【撮影条件】
75kV / 25mAs (もしくは被ばく低減のために90kV以上で撮影)
グリッド ( + )。斜入射するためグリッド箔の方向に注意。
呼気停止
【画像・チェックポイント】
正常例(Radiopaedia)
腸骨稜から小転子までが含まれていること。
閉鎖孔が左右対称に投影されていること。
照射野の中心に骨盤腔が投影されていること。
恥骨と仙骨は重なって投影される。
軟部組織まで観察できること。
ブレがないこと。
【動画】
【関連資料】