【撮影目的】
筋肉質な患者において頸椎/胸椎側面像で観察できない下部頸椎、上部胸椎の観察。
CTを有さない施設で有用。
【撮影前の確認事項】
立位、臥位どちらで撮影するか確認。
障害陰影となるものを外す。
【ポジショニング】
立位 : 体側をカセッテにつけた立位。
臥位 : 側臥位とする。挙上した腕を枕にして頸椎とカセッテを平行にする。
冠状面をカセッテに垂直とする。
カセッテに近い側の腕を拳上し、前腕を頭の上に乗せ上腕を側頭部につける。肘関節を前方に出すことで、上腕骨頭を椎体から外す。カセッテから遠い側の肩を下げ、後方にずらす。(ずらす方向は前後どちらでもよい)
カセッテの中心の高さは頚切痕より2.5cm頭側とする。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:頚切痕より2.5cm頭側の高さで頸部の中心に向かって垂直入射。上腕骨頭と椎体を上下に分離できていない場合は、頭尾方向に3~5°で斜入射。
撮影距離:100cm
照射野:下げた上腕骨頭を含む範囲まで広げる。左右は胸椎棘突起を含む範囲とする。
【撮影条件】
80kV / 20mAs
(高電圧を利用することでコントラストを下げ、観察可能範囲を広げる)
グリッド ( + )
吸気停止。
【画像・チェックポイント】
正常例 (Radiopaedia)
解剖クイズ
C7/Th1が中心に投影されていること。
C2棘突起が含まれていること。
側面像から大きな回旋がないこと。
上腕骨頭と椎体の重なりが最小限であること。
左右の上腕骨頭が上下左右に離れて投影されていること。
【動画】
【関連資料】